21 Dec 2011

欧州債務危機の日本改革への意味合い

本日欧州債務危機の某セミナーを聞いてきて面白いと感じた点(と日本改革へのインプリケーション)を備忘録的に残しておきます。


  • 政府予算引き締めは景気後退時に行うとさらなる景気後退による予想以上の税収減を招き、さらなる引き締めを要するという悪循環に陥りやすく、そうなると政治的にも不安定さが一気に高まるため、外需頼りの成長戦略では世界の成長エンジンがガス欠になると一気にナローパスになるリスクがある
    • 意味合い:現在生産性の低い農業並びにサービスセクターを中心とした内需経済の構造改革が重要
  • 銀行の債権エクスポージャーや貿易取引高からすると日本経済への直接の影響は限定的。アジア新興国(含む中国)との結びつきはより強いものの、90年代のアジア通貨危機を経てアジア諸国は対応ができるようになっているので間接的な影響も小さいと予想される
    • 意味合い:冷静な資金循環統計=ファクトからorder of magnitudeをまずは捉える姿勢の大切さ
  • 確かにEURO解体まで問題が発展したらGDP世界3位の経済である日本経済への影響は大きいが、ドイツがEUROを背負って事実上のマルク帝国を築くかどうかの政治的な決めの問題なので回避は可能。さらに、ギリシャは欧州にとっての対トルコ及びイスラム諸国との緩衝地であるので地政学的に守る方向に動くはず
    • 意味合い”東アジアとくに朝鮮半島を中心とした地政学的な大局観・歴史観の醸成の必要性
  • いつも差し迫った危機を訴えるのはマスメディアとエコノミストで、政治と国民の考える時間軸はもう少し長いはずなので政治リーダーは少なくとも数年間のスパンを持って考え実行するべきである
    • 意味合い:民主国家の権力分立におけるマスメディアのガバナンスをどう最設計するかの構想も一体的に必要

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