26 Sept 2005

ニート-フリーターでもなく失業者でもなく~働くということ(1)~


ニート―フリーターでもなく失業者でもなくを古本屋で購入、即日読破。

NEET="Not in Education, Employment, or Training"
教育を受けず、職に就いておらず、職業訓練を受けていない人たち。推計40万人。
(25歳未満の若者約1500万人中、失業者72万人、就業者573万人。
 残りの853万人中、就職希望者123万人、内定者91万人。
 残りの633万人中、在学者579万人、浪人生14万人。残ったのが40万人。)

「失業者」は、失職しながらも職探しをしている人のこと。
「フリーター」は、安定的な職ではないが働いている人のこと。
「ニート」は、そもそものところから異なる。


ニートは「働かない」のではない。「働けない」のだ。ニートは「働きたくない」のではなく、なぜか「働くために動き出すことができない」でいるだけだ。
「動き出せない」感覚は、なんとなく分かるかもしれない。といって、分かった気にはとてもなれないが。自分はたまたま周りに信頼できる人がいて、たまたま自分がやることを認めてもらえたから、そうはならなかっただけだろう。

安易な希望を語るのではなく、具体的な悩みに、真摯に立ち向かおうとしている。学術書や政策レポートではなく、ニートである人たちの声と書き手の想いが拙く伝わってくる、素敵な本だった。
財政学(といっても主に福祉国家論)の岡本先生が、なぜか授業の最後に薦めていたこの本も気になるから、探して読んでおこう。


自由と責任を1人で背負う社会よりも、どうせ人間は孤独なんだから、少しでも人が共に生きられるような社会を求めるのは、安易な希望なんだろうか。

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