- 政府予算引き締めは景気後退時に行うとさらなる景気後退による予想以上の税収減を招き、さらなる引き締めを要するという悪循環に陥りやすく、そうなると政治的にも不安定さが一気に高まるため、外需頼りの成長戦略では世界の成長エンジンがガス欠になると一気にナローパスになるリスクがある
- 意味合い:現在生産性の低い農業並びにサービスセクターを中心とした内需経済の構造改革が重要
- 銀行の債権エクスポージャーや貿易取引高からすると日本経済への直接の影響は限定的。アジア新興国(含む中国)との結びつきはより強いものの、90年代のアジア通貨危機を経てアジア諸国は対応ができるようになっているので間接的な影響も小さいと予想される
- 意味合い:冷静な資金循環統計=ファクトからorder of magnitudeをまずは捉える姿勢の大切さ
- 確かにEURO解体まで問題が発展したらGDP世界3位の経済である日本経済への影響は大きいが、ドイツがEUROを背負って事実上のマルク帝国を築くかどうかの政治的な決めの問題なので回避は可能。さらに、ギリシャは欧州にとっての対トルコ及びイスラム諸国との緩衝地であるので地政学的に守る方向に動くはず
- 意味合い”東アジアとくに朝鮮半島を中心とした地政学的な大局観・歴史観の醸成の必要性
- いつも差し迫った危機を訴えるのはマスメディアとエコノミストで、政治と国民の考える時間軸はもう少し長いはずなので政治リーダーは少なくとも数年間のスパンを持って考え実行するべきである
- 意味合い:民主国家の権力分立におけるマスメディアのガバナンスをどう最設計するかの構想も一体的に必要
Labels Cloud
Aspirations
(56)
Books and Words
(53)
DaybyDay
(47)
Politics
(47)
governance
(46)
Cambridge MBA
(40)
MBA planning
(24)
Cambridge Life
(19)
entrepreneurial
(17)
GMAT
(12)
TOEFL
(12)
Cambridge Festivals
(10)
Movies and Plays
(9)
Trips outside UK
(9)
IELTS
(8)
London Life
(7)
Trips within UK
(7)
Science Fiction
(3)
Trips within Japan
(2)
21 Dec 2011
欧州債務危機の日本改革への意味合い
本日欧州債務危機の某セミナーを聞いてきて面白いと感じた点(と日本改革へのインプリケーション)を備忘録的に残しておきます。
15 Dec 2011
30 Day GMAT Success 2nd Edition
GMATを短期間に伸ばす必要がある人にとって非常に実践的なアドバイスが書かれています。特に、最初に模擬テストを(mba.comからダウンロードして)受けてみてから、どこか難しかったかを書き記してから採点を見て優先順位を決めるくだりは非常に参考になりました。英語なのでもちろんある程度英語を勉強してからの前提になりますが、先にTOEFL対策をしてある程度の文章ならさらっと読めるようになった当たりでオススメです。ちなみに、Amacon.comではKindleバージョンもお安く出ています。
14 Dec 2011
粉飾の論理(著:高橋 篤史)
昨今話題になっているオリンパスの粉飾事件に触発されて、過去の代表的な粉飾事件の概要を知りたいと思って手に取った本著ですが、連結決算導入前後の日本の大企業の粉飾の典型としてのカネボウ、無形資産中心のIT業界に対する監査の難しさと上場のデメリット側を突きつけたメディア・リンクス、そして資本市場を活用するための粉飾という新しい形を示したライブドア、と三者三様なケースを、丹念な取材を元として詳細に追いかける良書でした。
個人的な感想を付け加えるなれば、著者同様、その脇における監査法人の不作為や癒着、曖昧な立ち位置には疑問を感じることが多かったです。プロフェッショナルとしての監査を成立させるためには、ソフトローや個々人の職業倫理に全てを帰するのではなく、粉飾を見過ごした場合の一定期間の資格停止などの罰則を厳しくするハードローの改正や、監査フィーの出し手が(一部でも)取引所になるなどの思い切ったインセンティブ構造の変化を作らないと、また同じような粉飾とそれを見過ごすインセンティブを与えかねないのかな、と思います。
昨今、日本のスタートアップ業界も再び活気が出てきているように思えますが、これらの事例を他山の石として、またわけの分からない顛末にならないように、起業家のみならずそれをサポートする監査の方々にもある種踏み込んで取り組んでいただきたいと感じました。
個人的な感想を付け加えるなれば、著者同様、その脇における監査法人の不作為や癒着、曖昧な立ち位置には疑問を感じることが多かったです。プロフェッショナルとしての監査を成立させるためには、ソフトローや個々人の職業倫理に全てを帰するのではなく、粉飾を見過ごした場合の一定期間の資格停止などの罰則を厳しくするハードローの改正や、監査フィーの出し手が(一部でも)取引所になるなどの思い切ったインセンティブ構造の変化を作らないと、また同じような粉飾とそれを見過ごすインセンティブを与えかねないのかな、と思います。
昨今、日本のスタートアップ業界も再び活気が出てきているように思えますが、これらの事例を他山の石として、またわけの分からない顛末にならないように、起業家のみならずそれをサポートする監査の方々にもある種踏み込んで取り組んでいただきたいと感じました。
13 Dec 2011
「共産党宣言」(著:マルクス/エンゲルス)を読んで考えた、21世紀の資本主義への政治的処方箋
薄い本ですが、序文等を覗いた本文は五十頁程度、骨子の部分は数十頁で意外とあっさりと読むことが出来ました。
読み終わって感じたのは、この宣言はあくまでも資本主義に対するカウンターテーゼとして最も意味をなしたのではないかということです。
まず、資本主義の導入がこれまでの封建的な貴族などの身分制度を崩壊させて、その帰結として資本を持つごく一部のブルジョア階級とプロレタリア階級に分かれていくというロジックはおそらく現代にも当てはまるものだと思います。
その階級差への対策として、資本では負けても人数では多数を占めるプロレタリアートが経済的自由を勝ち取るためにまずは政治的自由(民主主義からひいてはプロレタリア革命まで)を得るのが先決であり、その数の力を利用するため「万国のプロレタリア団結せよ!」に至る処方箋を提示したのがこの宣言と理解しています。
この宣言があったことで、ブルジョア階級としては私有財産を否定されるような革命をされるよりはましという比較衡量から、民主主義を導入し社会主義的な所得分配策を実施していき、結果としてプロレタリア階級の政治的自由・経済的自由は大幅に増すことになって安定した、というのが20世紀の政治観としては妥当なのではないかと思います。その観点からは、この宣言は当初目指していたところを一定程度は果たしたとも言えるのではないでしょうか。
読み終わって感じたのは、この宣言はあくまでも資本主義に対するカウンターテーゼとして最も意味をなしたのではないかということです。
まず、資本主義の導入がこれまでの封建的な貴族などの身分制度を崩壊させて、その帰結として資本を持つごく一部のブルジョア階級とプロレタリア階級に分かれていくというロジックはおそらく現代にも当てはまるものだと思います。
その階級差への対策として、資本では負けても人数では多数を占めるプロレタリアートが経済的自由を勝ち取るためにまずは政治的自由(民主主義からひいてはプロレタリア革命まで)を得るのが先決であり、その数の力を利用するため「万国のプロレタリア団結せよ!」に至る処方箋を提示したのがこの宣言と理解しています。
この宣言があったことで、ブルジョア階級としては私有財産を否定されるような革命をされるよりはましという比較衡量から、民主主義を導入し社会主義的な所得分配策を実施していき、結果としてプロレタリア階級の政治的自由・経済的自由は大幅に増すことになって安定した、というのが20世紀の政治観としては妥当なのではないかと思います。その観点からは、この宣言は当初目指していたところを一定程度は果たしたとも言えるのではないでしょうか。
それでは、今後の世界においてプロレタリア革命が成立し得るのかという観点では、ITCの発展がコミュニケーションをやりやすくしている一方で、資本市場に対する資本家としてのアクセスの容易化がそもそもブルジョアとプロレタリアを分けることを困難になっており、さらに軍事革命についてはシビリアンコントロールと軍事技術の高度化が先進国における軍事革命(国軍でも私兵でも)を非現実的なものにしているため極めてナローパスであり、また社会民主主義的な政党が成立している国(ほぼ全ての先進国)ではそちらから政治的自由を行使した方が現実的になるため難しいのではないでしょうか。
今出し得る処方箋としては、今世紀に関しては、経済的には国を巨大な保険システムだとみなして(外交/軍事的な観点を一旦棚上げ)各人が拠出を出して最低限の生活水準を保証しつつそれ以上はガチンコで世界で競争させていくしかないのかな、と思います。新興国が人口ボーナスを武器に成長を続け経済の重心が外にどんどん向かう間は給与格差がグローバルに縮まる一方で国内格差はどうしても広がる期間であり、かつ残念ながら分配政策を続けられるほどの富はどの国も持ち続けないので、「そういう世界で暮らしていく覚悟」を早いうちから共有する必要があると思います。人口増加が90億人くらいで一段落するフェーズに入ったらまた別の世界観が広がると思いますが、それはその時の人たちが考えるでしょう。
そこで国内政治の論点の一つ目として、覚悟を持つ前に残念ながら年をとって他のことができなくなってしまった人を助けるべきかどうか、これは下手な世代間対立を煽るのではなく冷静にきちんと数字で若い世代に政治が問うべきだと思います。そうすればおそらく、As far as it's payable, yes. というところをマジョリティとして形成することが可能なのではないでしょうか。
そして二つ目の論点としては、「最低限の生活水準」の程度であり、低負担ならば低水準、高負担ならば高水準という当たり前のロジックを理解させた上で、国民がどれだけ隣人を同胞と思うか、助けたいと思うか、を民主主義で決めればよいと思います。これは北欧型で高負担になるよりは、もっと低い水準(現在の水準程度)に合意され得る懸念があると思いますが、個人的には、多少負担が増えたとしても、教育や医療に関して安心して生きられる水準まで引き上げたほうが成熟した国としてとよい社会だと考えてますので、国民負担率の水準としては現在の40%未満ではなく大陸ヨーロッパくらいなので50-60%のあたりになるように国民合意を作りにいく必要があると思います。
なおもう一つ棚上げした環境問題などの外部不経済への処方箋は、これはたとえ牛歩でも少しずつでも合意をして進めていく(絶対にテーブルから離れない、離さない)というスタンスを取り続ける一方で、排出権取引のようにどれだけ経済に取り込めるかのイノベーションを進めていくしかないと思います。
12 Dec 2011
GMAT初トライ
アゴスの無料オンライン試験で、GMATのQuantitative(数学)とVerbal(文法、読解)を受けて見ましたが、Quantitativeは8割、Verbalは7割の出来でした(ざっくり換算して610点くらいのよう)。思ったよりもVerbalが難しいというかtrickyでした。
僕はGPA(大学の成績)が群を抜いて悪いのでGMATでオツムの出来を証明するため720以上を目標にしており、そのためにはQuantitativeはほぼ満点(以下の縦軸で50点)であとはVerbalを8割(以下の横軸で40点)以上を目指すのが目安になりそうです。
Quantitativeは数学用語を覚えて少し昔の勉強を思い出せば満点は取れそうですが、Verbalは受験対策をしないと無駄に時間を取られそうな気がしますね。無駄なお金は使いたくないが時間を買うと思って場合によっては留学予備校も使うかなぁ。
僕はGPA(大学の成績)が群を抜いて悪いのでGMATでオツムの出来を証明するため720以上を目標にしており、そのためにはQuantitativeはほぼ満点(以下の縦軸で50点)であとはVerbalを8割(以下の横軸で40点)以上を目指すのが目安になりそうです。
Quantitativeは数学用語を覚えて少し昔の勉強を思い出せば満点は取れそうですが、Verbalは受験対策をしないと無駄に時間を取られそうな気がしますね。無駄なお金は使いたくないが時間を買うと思って場合によっては留学予備校も使うかなぁ。
11 Dec 2011
この国の統治機構の「ねじれ」
友人が主催した政治改革フォーラムを聞きながら、この国の統治機構は「ねじれ国会」だけではなくそうとうに「ねじれ」ているんだなあということを、6層に分けて改めて整理しました。
さてさて、どっから変えたらいいもんやら。一つ思うのは、これだけぐねぐねしていると、一箇所程度戻しても他のねじれに引っ張られてまたねじれてしまうのではないかということですね。かといって余りに大きなガラガラポンは痛みも大きいしなぁ。
- 三権分立のねじれ: 内閣提出法案を国会が修正し放題と強い、司法が弱すぎて(統治行為論で逃げる)バランサーがない
- 国会のねじれ: 参議院の拒否権が強すぎて法案が通らない(今国会の法案成立率は14/38本の34%)
- 政策立案のねじれ: 役所と与党のダイレクションが一致しておらず政治の意図や霞が関の政策立案機能が十分に生かせない
- 政党内のねじれ: 二大政党ともに政策理念で成立している党ではないので党内で百家争鳴ばかり
- 選挙制度のねじれ: 都市と農村の一票の格差が大きいまま放置サれている、妥協の産物である小選挙区比例代表並立でどのような代表を選ぶかも曖昧
- 有権者のねじれ: 歪んだ人口構成と世代間投票率ギャップが、年金に代表される世代間再分配政策と相まって世代間対立の土壌となっている
さてさて、どっから変えたらいいもんやら。一つ思うのは、これだけぐねぐねしていると、一箇所程度戻しても他のねじれに引っ張られてまたねじれてしまうのではないかということですね。かといって余りに大きなガラガラポンは痛みも大きいしなぁ。
7 Dec 2011
国の破綻に際してどのような民主主義を描くべきか
AGORAの「続「財政破綻させるべき」論-国家のDESと合理的金権政治 --- 伊東良平」は思考実験として非常に面白いので、そこから2点必要な準備を考えました。
1点目は資金繰的な観点ですが、日本政府が3-5%の元本減免やリスケを行った場合、いわゆる再建会社が社債マーケットにアクセスするには再建計画達成などの正常化を示すことが必要だと捉えられることから考えると、国債再発行まで時間がかかる間のファイナンスをどうつなぐかという問題が起こりえるということです。その場合は再建期間を見定めて、もっとカット率を高くするないし繰延期間を長くしてその分を次のファイナンスまでの間を持たす+DIPファイナンスを用意しておく(IMFで対応可能な規模をもはや超えているとは思いますが)のが現実的だとは思います。
次のファイナンスまでが長すぎると二次破綻のリスクもありかつ財政正常化までは円安・金利高というマーケットからの反応が想定され実体経済への影響も深刻になりますが、一方であまりに短期間のハードランディングだと日本政府の債務残高を減らす一方で金融機関のバランスシートひいては金融システムが持たずそちらのパスから実体経済の流動性に多大な影響がある、という相克が生まれるのは間違いないので、日本の金融システムの主要プレイヤーを巻き込んだ(=逃げさせない)「ぎりぎりの落とし所」のすり合わせを極めて短期間に行えるような準備が必要だと思います。
2点目は、日本政府のような民主主義を是とする組織体にDESを行うということは、いわゆる株式会社の債務超過からの再建においてDIP(Debtor In Position)状態としてみなして株主主権を停止することから考えると、日本国民の主権を緊急措置的に停止するならばその際の主権の正統性と正当性の担保の仕方を政治的にきちんと定義しておかないと、権利行使を誰もできずただの政治的カオスに陥るのでないかという点です。
そのような法案を定義することでそれ自体がマーケットのネガティブ反応を生みかねないですが、それはさておき政治の問題として、国債を保有している主体(主には銀行・保険会社など)が首相を決めるというような状況をありとするのか、それでも民主主義に拘り破綻決定時点で国民投票を行なって直接投票すべきなのか、あるいは他のやり方で主権正統性を担保するのか、という問題は考えておくべきことかなと思います。その際には、「再建する日本の50年程度に最も責任を持てる」という観点から、例えば15-30歳のみの投票というような選択肢もあり得べしかと思います。
この2点の準備を「思考実験」でも行っておくことで、X-dayが来たとしても比較的すぐに動けるように思えます。
1点目は資金繰的な観点ですが、日本政府が3-5%の元本減免やリスケを行った場合、いわゆる再建会社が社債マーケットにアクセスするには再建計画達成などの正常化を示すことが必要だと捉えられることから考えると、国債再発行まで時間がかかる間のファイナンスをどうつなぐかという問題が起こりえるということです。その場合は再建期間を見定めて、もっとカット率を高くするないし繰延期間を長くしてその分を次のファイナンスまでの間を持たす+DIPファイナンスを用意しておく(IMFで対応可能な規模をもはや超えているとは思いますが)のが現実的だとは思います。
次のファイナンスまでが長すぎると二次破綻のリスクもありかつ財政正常化までは円安・金利高というマーケットからの反応が想定され実体経済への影響も深刻になりますが、一方であまりに短期間のハードランディングだと日本政府の債務残高を減らす一方で金融機関のバランスシートひいては金融システムが持たずそちらのパスから実体経済の流動性に多大な影響がある、という相克が生まれるのは間違いないので、日本の金融システムの主要プレイヤーを巻き込んだ(=逃げさせない)「ぎりぎりの落とし所」のすり合わせを極めて短期間に行えるような準備が必要だと思います。
2点目は、日本政府のような民主主義を是とする組織体にDESを行うということは、いわゆる株式会社の債務超過からの再建においてDIP(Debtor In Position)状態としてみなして株主主権を停止することから考えると、日本国民の主権を緊急措置的に停止するならばその際の主権の正統性と正当性の担保の仕方を政治的にきちんと定義しておかないと、権利行使を誰もできずただの政治的カオスに陥るのでないかという点です。
そのような法案を定義することでそれ自体がマーケットのネガティブ反応を生みかねないですが、それはさておき政治の問題として、国債を保有している主体(主には銀行・保険会社など)が首相を決めるというような状況をありとするのか、それでも民主主義に拘り破綻決定時点で国民投票を行なって直接投票すべきなのか、あるいは他のやり方で主権正統性を担保するのか、という問題は考えておくべきことかなと思います。その際には、「再建する日本の50年程度に最も責任を持てる」という観点から、例えば15-30歳のみの投票というような選択肢もあり得べしかと思います。
この2点の準備を「思考実験」でも行っておくことで、X-dayが来たとしても比較的すぐに動けるように思えます。
5 Dec 2011
1年で死亡率1%の死亡率と生命保険
1年で死亡率1%とは具体的にどういう数値かと、標準的な死亡ケースと比べてみました。
2008年の国内男性の死亡数を五歳刻みで100%=全死亡数としたとき(定義は違うけどこの「平均寿命」は77.36歳)に、28歳以降に1年で1%の死亡率となるケースを独立事象としてその死亡率を加味したところ、90歳前後までいくとほぼ差がなくなりますが75歳くらいまでは標準より10数パーセンテージポイントは死ぬ確率が高まるようです。生命保険が30年掛け捨てで掛金と受取額の比率が10倍前後ならば、期待値的にはプラスになりますね。
2008年の国内男性の死亡数を五歳刻みで100%=全死亡数としたとき(定義は違うけどこの「平均寿命」は77.36歳)に、28歳以降に1年で1%の死亡率となるケースを独立事象としてその死亡率を加味したところ、90歳前後までいくとほぼ差がなくなりますが75歳くらいまでは標準より10数パーセンテージポイントは死ぬ確率が高まるようです。生命保険が30年掛け捨てで掛金と受取額の比率が10倍前後ならば、期待値的にはプラスになりますね。
![]() |
| 縦軸:累積割合、横軸:年齢 |
2 Dec 2011
規制改革の経済分析―電力自由化のケース・スタディ―(編著:八田達夫、田中誠)
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)における「電力自由化研究プロジェクト」の研究成果を取りまとめた本書ですが、非常に刺激的な内容になっております。論文集なので部分的に読んでも参考になりますが、特に面白く最近の電力に関する議論の参考になると感じたのは面白い順番では3章、2章、1章です。
まとめると既に実施された改革(1章、2章)により電力価格にしてそれぞれ1円/kWh前後の効果を得られていますが、さらに大きな効果は域内競争の本格導入(3章)により得られるということで、3日間の最大電力に基づく分析である点と安定供給という観点からの示唆はない分析という点に留意は必要ですが、今後の制度変更の議論の際には是非参考にすべき先行研究だと考えます。
まとめると既に実施された改革(1章、2章)により電力価格にしてそれぞれ1円/kWh前後の効果を得られていますが、さらに大きな効果は域内競争の本格導入(3章)により得られるということで、3日間の最大電力に基づく分析である点と安定供給という観点からの示唆はない分析という点に留意は必要ですが、今後の制度変更の議論の際には是非参考にすべき先行研究だと考えます。
以下は、各章の具体的な内容です。(あまり興味を持てなかった4章以降については割愛します、興味が有る方はご一読ください)
3章:電力市場における市場支配力のシミュレーション分析
北海道と沖縄を除いた8発電者各社が供給量を定めるクルーノー競争を行い発電電力価格への影響力を持つ一方で送電料金は所与で送電価格支配力をもたず地域間の裁定機会もなしという想定で、各地域内の電力会社を分割して競争を導入した場合の消費者料金単価シミュレーションを行なっています。
分析結果としては、ベースケースでは東西での単価差が6.43円/kWhにもなり、50Hz/60Hzの切り替えボトルネックとなる東京と中部の東西連系線は送電量はフル送電になります。まず東西連系線の容量を1200MWから2倍、3倍と高めていくと東側(東北・東京)の値段は下がり、西側(中部のみ)の値段が上がり、7200MW(現状の6倍)まで高めることで、他の西地域との価格差は2円/kWh超残りますが3地域(東北、東京、中部)の価格差は解消されます。
また、東西連系線増設ではなく東電(文中ではG社となっていますが数字や地理的に自明です)を2分割~4分割として管内に価格競争をもたらすと1分割のときは19.23円/kWhだった価格が、2分割:14.45円/kWh、3分割:12.79円/kWh、4分割:12.26円/kWhと分割数が増えることで低下し(マークアップ率は68.7%から39.3%へ低下)、4分割では従来と逆転して東から西へ電力が流れるまでになります。
さらに、東電を6分割(!)、他社を2分割した非常にアグレッシブなシナリオ分析では、価格は10.61円/kWhまで減少しており、完全競争想定時の7.3-7.5円のレンジには及ばないものの、非常に安価な電力供給がなされるようになります。
2章:送電料金改革の効果分析―パンケーキ方式から郵便切手方式へ―
送電料金をパンケーキ方式(バーチャルに託送時の通過地域が重なるごとに課金を重ねる)から郵便切手方式(需要家立地に応じて発電者の場所を問わず全国一律に課金する)へ切り替えたことにより、完全競争下の前提で各地域における競争圧力が変化することを想定した全国的な電力の潮流図(連系線の送電量を含む)と生産者・消費者余剰等を分析しています。
分析結果としては、パンケーキ方式からの変更により西から東への潮流が起きるものの、東京の揚水発電容量の電力供給寄与率を一定のレンジ(50%)に置いた場合には東西の連系線がパンクするほどの送電量にはならない(ただし、40%にした場合にはフル送電になりますが)ということが分かります。
また、東京の揚水発電の想定をどちらのレンジにおいても、パンケーキ方式よりも郵便切手方式の方が東京の消費者価格は1円/kWh前後低くなるという結果が導き出されます。
1章:電力自由化はいかなる効果を持ったか―1990年代から現在までの定量的政策評価―
95年の発電自由化、99年の小売部分自由化の効果を、実際の財務諸表数値をベースにして制度変更を表現するダミー変数を含めた回帰分析で推測しています。
分析結果としては、98年度の供給費用を基準とした時に03年度時点では供給費用は16%(3.3円/kWh)低減しておりそのうち37%(1.3円/kWh)が制度変更の影響で、残りの63%(2.1円/kWh)の外的要因の変化のうち長期金利変化が40%、需要増加率変化が16%、燃料費変化が7%とまとめております。制度変更の影響は確かにあったが、実際には長期金利低下の影響が単独では最も大きかったのは若干皮肉ですね。
さらに同じような部分自由化が他の産業にも同様の影響を与え得るかということでガス産業の自由化に当てはめて試算しており、ガス事業では電力とは異なって家庭用料金への価格変化は起こらずもっぱら産業用価格の変化に結びついており、さらに社会全体の総余剰は減少したと結論づけて、部分自由化への政策提言として1)経営情報の公開促進と2)経済厚生の常態的な監視と勧告制度の創設を提言しています。
26 Nov 2011
The era of state capitalism/「機構資本主義」の時代
日経新聞の「キコウ資本主義」の記事(以下に引用)を読みましたが、PublicとPrivateを安易に分ける古い二分論にまだ依拠しているように思えます。世界各国はもっと柔軟に国民経済の向上へ向けて動いておりますし(参考:Financial Times site on state capitalism)、なによりそもそもフィクションとしての「民主主義たる国民国家」自体が、本質的には国民のために存在するはずですので、安易な原理主義に陥ることなくその時代と次代に生きる「人間」にとってよりその都度妥当な運用を模索し続けることが、各世代のリーダー達に求められる姿勢だと思います。
以下引用
「キコウ資本主義」の時代…日経新聞11月22日15面より
編集委員 西條都夫
官民ファンド、産業革新機構の朝倉陽保専務によると、米アップルが10月に発売した「アイフォーン4S」の最大の特徴はディスプレーだそうだ。液晶のドット密度が2割ほど増え、画面が見やすくなった。「現物を手に取ると、従来機種との差は歴然」という。
朝倉氏がスマホに詳しいのは、個人的興味だけではない。産業革新機構の幹部として、巨額を投じる液晶市場の動向に無関心でいられないのだ。気がつけば、日本の企業社会で「キコウ」の存在感が大きく膨らんでいる。
一つはこの産業革新機構。資本金こそ民間企業も拠出し、官民共同出資の体裁を整えたが、約1兆円ある投融資枠の9割がたは政府保証枠を使って借り入れる事実上の政府ファンドだ。近々政府保証枠の1兆円上積みが予定され、さらにパワーアップする。
そのなかの目玉案件が機構が2千億円を出資し、東芝など3社と共同で設立する液晶会社のジャパンディスプレイ。これが20年前なら「日本が官民一体で不公正競争を始めた」と通商摩擦のやり玉にあがったはずだが、今は問題視する空気さえない。それだけ日本勢の競争力が衰え、注目度が低下した裏返しであるといえる。
もう一つのポイントは官製ファンドなかりせば、再編が起きたかどうか大いにおぼつかないことだ。朝倉専務は「交渉は曲折を経たが、最後はまとまった。機構の出資する2千億円は長期のリスクマネー。今の日本にこうした資金の出し手は見あたらない」という。
公的なカネに頼らなければ再編もできないとは情けない話だが、それが業界の実態だろう。新会社の成功のハードルは高いものの、各社が個別バラバラに細々と事業を続けるよりはまだ展望が開けるかもしれない。
革新機構に続く2番目の注目「キコウ」は、東京電力を支援する原子力損害賠償支援機構だ。東電というブライドの塊のような会社に乗り込み、リストラの進捗や経営のあれこれに口を挟む。介入を嫌う東電側とは緊張が続いているが、最大のヤマ場は来年春。
東電が3月期決算で事故を起こした福島第一原発の廃炉費用を計上することになれば、自己資本が大きく痛み、機構による資本注入が不可避になる。「民間会社としてやっていく」と東電首脳は強調するが、それがかなうか、機構傘下の国有会社になるかせめぎ合いが続くだろう。
日本航空(JAL)の再建を手掛ける企業再生支援機構を含めて、一連の「キコウ」の存在感拡大は、企業の側のふがいなさ、自力で局面を打開できない閉塞と裏表の関係にある。
かつて不良債権を民間だけの手で処理できず、産業再生機構が登場したのと同じ構図だ。だが、いつまでも機構頼み、公的資金頼みでいいわけがない。企業が活力を取り戻し、「キコウ資本主義」に決別するのはいつの日だろうか。
Subscribe to:
Posts (Atom)

