国家の財政破綻に関して、「こういう特殊要因があるから今回は大丈夫だ(This Time Is Different; 原題)」という言説を撒き散らす学者とメディアに対して、冷静に、過去のデータの積み上げから、様々な条件下で過去国家は破綻(デフォルト)を起こし、それによって経済的にどのような影響を受けたか(主にインフレ率と利子率に関して)を、世界史的な時間軸と地域軸で俯瞰できる大著です。
一方で、あくまでマクロな統計数値のデータベースとして焦点を当てているため、個別ケースの深掘りや破綻時の具体的な国民経済への影響(歳出カット、増税など)については別のリサーチを必要とします。
それでも、繰り返しになりますが、これだけの幅広い時間軸・地域軸のデータを集めただけでも非常に価値があるものですし、国内債務のデフォルトは決して起こらない訳ではないということが日本財政は破綻しないという論者への批判の基盤となるとともに、対GDP比という観点でここまで巨大な政府債務(200%超)を抱える国家自体が特異である(通常はここまで国内でファイナンスできる前に破綻する)という点でも、この本が現在の日本財政を論じる際に非常に役に立つものであると言えると思います。
一方で、あくまでマクロな統計数値のデータベースとして焦点を当てているため、個別ケースの深掘りや破綻時の具体的な国民経済への影響(歳出カット、増税など)については別のリサーチを必要とします。
それでも、繰り返しになりますが、これだけの幅広い時間軸・地域軸のデータを集めただけでも非常に価値があるものですし、国内債務のデフォルトは決して起こらない訳ではないということが日本財政は破綻しないという論者への批判の基盤となるとともに、対GDP比という観点でここまで巨大な政府債務(200%超)を抱える国家自体が特異である(通常はここまで国内でファイナンスできる前に破綻する)という点でも、この本が現在の日本財政を論じる際に非常に役に立つものであると言えると思います。
なお、こういう本は、原著の方がやはり分かりやすいです。私はAmazon.comにてKindleで買いました。ただ、Kindleだと添付のデータテーブルに飛んだり戻ったりが若干やりにくいのが難点ですね。その用途では、本に付箋を貼っておくほうが楽です。
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