21 Apr 2011

冨山和彦 『福島の三春で「総理の桜を見る会」を』

「桜を見る会」はさておき、「官邸の地下という東京で最も安全な場所から非現実的な指示を出している人間を、意思決定ラインから排除すべき」という点は非常に納得感が高いです。毎日新聞のウェブサイトには掲載されてないようなので、ベタ打ちして引用します。

毎日新聞、2011年4月13日経済観測
福島の三春で「総理の桜を見る会」を
経営共創基盤CEO 冨山和彦

拝啓 官房長官殿
 今回の危機に際し、最もまっとうに機能している閣僚と見込んで、被災当事者として実感していることを何点か申し上げます。
 まず問題点ですが、とにかく決断が遅い。間違いや批判を恐れるあまり、情報収集と検討に時間をかけ過ぎているからです。最前線は、いつも戦闘状態。どんな意思決定をしても間違いは起きます。そのロスよりも、決断が遅れることによるロスの方がはるかに大きい。加えて、この期に及んで保身と点数稼ぎで非現実的な指示を現場におろしてくる人物が政府内にいます。「原発20~30㌔圏内は、屋外退避としつつ、住民の自主避難を促す一方で、経済活動の正常化を図るため民間企業に協力要請」していましたが、これで現場が動けたら奇跡。屋外が危険だから屋内にいろと言っておいて、屋外活動が不可欠な民間経済活動の正常化は無理です。それから意思決定にかかわる人が多すぎます。古今東西、有事は独裁。衆議を尽くすのは平時の構えです。
 次に改善策について。官邸の地下という東京で最も安全な場所から非現実的な指示を出している人間を、意思決定ラインから排除すべきです。彼らには、原発20㌔地点に前線本部を作ってそこに移ってもらったらどうでしょう?それから中止になった首相主催の「桜を見る会」を、今月、福島県の桜の名所、三春で開催していただきたく。福島の人々は震災の被害に加えて風評被害にも苦しんでいます。福島県の安全性、そして今年も美しい桜が咲き誇っていることを全国に、全世界にアピールするチャンスです。桜前線は、どんどん北上していますが、まだ間に合います。今度こそ迅速に、少数の人間で、批判を恐れずご決断いただけると幸甚です。敬具


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