17 Jan 2008

「運命」/蒲島先生が熊本県知事選挙に立候補

大学で唯一取ったゼミの先生で、その生き様をとても尊敬している蒲島先生が、熊本県知事選挙に立候補を決心されたそうです。

政治学者としてのイメージが強かったので非常に驚きました。が、よく思い返すと著書「運命」にあったように、小学校のときの「夢」(これは彼のキーワードでもあります)を実現する道を進んでいる結果なんでしょう。

詳細に興味がある方には、ぜひ生い立ちから東大教授までを語った「運命」を読んでほしいですが、HP上の「逆境の夢 学者人生を拓く」にもまとまっております。

運命―農奴から東大教授までの物語
運命―農奴から東大教授までの物語

この本は、凹んだりとか先行きが見えなくなったりとかそんなときに読んで、もう数十回くらい繰り返し読んだのではないのでしょうか。政策的なポジションは存じ上げておりませんが、人物として非常に信頼のできる方だと思っております。チャレンジングな地方政治の環境下で、どんなマニフェストを描かれるのか楽しみです。

15 Jan 2008

チェンジメーカー

「チェンジメーカー」「チェンジメーカーII」という2冊の本を読んでいます。
世界各国のいわゆる社会企業家social entrepreneurのインタビュー集です。

Change Maker 1

Change Maker 2

「チェンジメーカーII」で、「日本人が生んだ出稼ぎ移民向け小額融資銀行」として
MicroFinance International Corporationという「会社」と、その設立者である
枋迫篤昌 Atsumasa Tochisakoという方が紹介されていました。彼がメキシコ
で現地の貧しい家族との夕食を交わして感じた原体験の言葉が非常に響いたので、
忘れる前に書き残しておきたいと思います。

『真面目にこつこつ働く彼らが人間らしい暮らしをする収入さえ稼げない。
 社会システムのどこかが壊れている』

彼はその約20年後の2003年に、先進国で働く移民向けのリテールと途上国の現地
マイクロファイナンス機関向けの融資を組み合わせた(他のサービスはHP参照)
MicroFinance International Corporationを立ち上げます。銀行マンとして培った
専門性と志が統合されたすごい発明ですし、50歳近くまでシンプルな志を保ち続けた
ことにも尊敬するばかりです。

以下ひとりごと。

本日、社内で「社会セクター(NGO/NPO/国際機関etc)」を専門にするオフィスへの
一定期間の転籍プログラムに出した応募を提出ました。人気が高いプログラムであり
日本人の前例はいないとのことですが・・・とエクスキューズを積み上げてもしょう
がないので、とりあえず一歩目から踏み出すことにしました。
僕は、なんていうか、「社会貢献」がしたいと思っていません。少なくとも、その
言葉は僕の感情にフィットしない。そうじゃなくて、ただ、自分が理不尽だと思う
こと(例、将来の世代の負担になると分かっているのに積み上がる借金)を自分の
手で変えたいだけなんだと思います。
まあ、少なくとも今はそれでもいいんじゃないかと。顔を上げて歩いているうちに、
また何か新しいものを見て聞いて感じることで変わるだろうし、きっと方向性は
間違っていないんじゃないかと。たとえ応募で落ちたとしても、今の気持ちを忘れ
ないように、このちょっと恥ずかしい投稿を残しておきます。
"Go crazy now for your future."
だいぶ昔、ケニアに行く前に、友達に贈られた言葉を思い出しました。
帰ったら彼と飲みに行こう。

3 Jan 2008

Manifesto

遅ればせながら明けましておめでとうございます。ベルリンで新年を迎えました。数秒ごとに爆竹が鳴り響き、脇からロケット花火が飛び交い、ビールやワインの瓶が路上で割れ散らかっているクレイジーなイベントでした。
2008 New Year at Berlin, Germany

さてさて改めて、社会人なりたて時の心がけを振り返ってみたいと思います。

  •  「それにもかかわらず!」と言えるAspirationを形成すること
  •  そのために、自分を信じること
  •  でも、特に他人に対して謙虚であること
  •  その中で、「大人」になること

Aspirationの形成は結局、「非営利組織・政府・地方自治体をどうマネージするか」に絞れてきている気がするので、そちらはそろそろと進めていく予定です。なんで、海外でスタートする2008年は2番目になっていた「自分を信じる」にフォーカスしていこうと思います。

"Though I cannot solve it now, I definitely will do sooner or later."

そのための努力の積み重ねが、自分を信じる力を形作る。僕は、この道を愚直に進むしかないのかなぁと。

25 Dec 2007

クリスマスマーケット / Christmas makerts in Frankfurt, Munich, Nurnberg

クリスマスシーズンはせっかくなのでクリスマスマーケットで有名なドイツ内をぶらぶらしていました。といっても直前の金曜日まで仕事でずっとイギリスにいたので、フランクフルト、ミュンヘン、ニュルンベルクを回っただけでしたが、素朴なクリスマスマーケットを、買い食いをしながら回っていて非常に楽しかったです。

フランクフルト・市庁舎前の広場
ミュンヘン・マーケットの入口

ニュルンベルク・教会前の広場

こちらでは家族で過ごすシーズンなので、ホテルはオフシーズン価格、イヴは2時に店が閉まるという状況で、日本の正月みたいにのんびりすることができました。結局25日は一歩も外に出ず、自宅で「フラガール」と「素晴らしき哉、人生!」を久しぶりに鑑賞しました。

「フラガール」は、女性が凛として立っている映画であり、プロジェクトリーダーの映画だと感じましたが、やっぱり蒼井優が素晴らしい。凛としていく役柄がはまっているなぁと感じました。余談ですが、公式HPの写真の2007.DEC.30thがこれまた素晴らしいです。写真集をAmazonで注文せざるをえないくらい刺さりました。舞台の「オセロ」も、日本にいたら見に行きたかったです。

「素晴らしき哉、人生!/It's A Wonderful Life」はフランク・キャプラ監督とジェームス・スチュワートのまさに名コンビが、単純な人生賛歌ではない、思い通りに行かないことばかりの人生の浮き沈みと、それでも人生を肯定するパワーを確認させてくれる素敵な映画です。何回見ても、ジェームス・スチュワートの絶望と希望の演技は素晴らしい。

「スミス、ワシントンへ行く/MR.SMITH GOES TO WASHINGTON」と並んで、ずっと棚に置いておきたい作品です。こっちは、蒲島先生の政治過程論の授業で見てから、ひとつの自分の原点になっている作品です。

ある意味、人生25年で一番クリスマスを楽しんだのではないかと。感謝感謝。

31 Oct 2007

なぜ「貯蓄から投資へ」

日本を出る際に、円資産を銀行口座に放置するのももったいないので、約4割を海外株式ベースの投資信託に換えてきましたが、1ヶ月で平均4%程度の基準価額の伸びを示しておりまずは順調でほっとしています(人生初のリスク資産購入)。

そこで、日本の個人金融資産に占める投資信託の割合が気になったので日本銀行の資金循環統計を見てみました。さあ、どれくらいの割合でしょう?
(ちなみに、2006年度末で総資産は1533兆円です。)

(1)1.5% (2)4.5% (3)8.2% (4)10.8%

正解は、(2) 4.5%(68.4兆円)でした。2000年度の2.4%(33.9兆円)からは年平均で12%超の成長を示し、6年で倍になっています。実は、2004年度段階でも37.9兆円までしか達していなかったのでここ数年で急成長したわけですね。トレンドは「貯蓄から投資へ」向かっているかというと、上記の投信とか国債とか2000年:10.1億円(全体の0.7%)→2006年:33.3億円(全体の2.2%))は確かにそうですが、現預金が占める割合は50%前後で推移しており変化が小さいですね。

個人金融資産に占める現預金の割合(出典:日本銀行 資金循環統計)

短期コールレートが1%を切り5年定期ですら金利1%を切り始めた1995年から10年以上たつのに、本格的な預金の流出すら起こっておらず、定期預金が流動性預金に移動したくらいなのは、日本人がエコノミクスを気にしない非合理な人たちだからではなく、日本における金融商品のサプライサイド・ディマンドサイドの双方についてボトルネックがある気がしてなりません。

労働力が減る国において、せめてお金に働いてもらわないといけないのに、それを銀行に丸投げというのではあまりにもったいない(銀行に勤めている友人の方々ごめんなさい、でもこれはどうしても言いたかった)。

お金至上主義とかそんな極端な主張をしているわけではなく、先日パリでストライキに出くわして大変だったときに、働くことを含めた生活することは社会の一部を構成しており、その一部が止まるだけで社会は簡単に回らなくなってしまうんだなぁと感じたことが結構起因したりしています。「金は天下の回り物」ではないですが、マネーフローに対して責任を持つのは、社会の構成員としての義務ではないでしょうか。

余談ですが、税金の行方に対しても感心が薄い(住民税で所得の1割近くを払っているのに投票率が30%とかの地方議会選挙ってどーゆーこと)のとかは、税金を現金納入すると同時に投票とかにすれば結構真剣味が増すのではないかと。札束で100万円くらいを持って投票しに行ったらもっと税金の使い道の透明性やバリューフォーマネーに対して敏感になるのではないでしょうか。

最後に、先日読んだ日経ビジネスのさわがみ投信代表のコメントを引用します。
『現預金はある意味『丸投げ』『無責任』なんですよ。自分の意思は何もない。』
『投資というのは、自分の夢や価値観に合わせて、自分のお金を投入するということ・・・(中略)・・・自分がどういう社会に住みたいのか、あるいは子供や孫たちにどんな社会を残してあげたいのか、そんな意思や判断や夢を投影させていくことになるんです。』
投資に対する思想がもっと語られるようになれば、少しは変わる気がします。

14 Oct 2007

Munich / ミュンヘン+ノイシュヴァンシュタイン城

ノイシュヴァンシュタイン城

高校時代の友人の推薦もあり、同僚とミュンヘンに行ってきました。写真は、観光地として有名なノイシュヴァンシュタイン城(ミュンヘンから3時間)を近くの超高い推定地上50メートル前後のつり橋から撮影したものです。手が震えてカメラを落としそうでした。

ミュンヘンで美術館を巡りながら一番気に入ったのはノイエ・ピナコテーク(新絵画館)で出遭ったFernand Khnopffという作家の

I lock my door upon myself (1891)
でした。写真もタイトルもちょっと暗い感じですが、実際にはもっと暖かみと深みのある色で、閉じた世界が閉じているがために持つようなぬくもりを感じました。

対照的にもうひとつ気に入ったのはPaul Gauguinの
Paul Gauguin. Te Tamari No Atua (Nativity).
Te tamari no atua (1896)

で、こちらはむしろタイトルの英訳がBirth of the Son of Godであるように、生が開いていく「世界」というものと、伴う消耗を感じました。

土曜日に城めぐり、日曜日は美術館めぐりでしたが、いかんせん市内にも近場にも行きたいところが多く、ここに拠点を構えている友人にも会いそびれたので、また来なければな、という感じです。

7 Oct 2007

Wiesbaden / ヴィースバーデン ビバ温泉

Wiesbaden

日本にいたときは月に1回くらいは広い風呂に入りたくなり、麻布十番銭湯、麻布十番温泉、江戸湯@両国、大江戸温泉物語(台場)、豊島園「庭の湯」etcにいろいろ行っていたので、1ヶ月バスタブなしの生活が続いていてお風呂にのんびり浸かりたくなり、カイザー・フリードリヒ温泉に行ってきました。(ちなみに上述の中では、2千円超と値段が少しかかりますが、本を2冊くらい
 持って1日のんびりするのに豊島園のスパはおすすめです)

ここまでを、人は言い訳と言います。笑

詳細な説明はこちらのサイトに書かれていますが、キーポイントはやはり「混浴」というところでしょう。結構びっくりしたことに同年代くらいの女性も数名いましたが、いかんせん堂々と真っ裸だししまいにゃカップルでいちゃついたりしているので、こちらもあまり気にせず真っ裸で歩き回ったりしていました。"When in Rome, do as the Romans do."ですね。

残念ながらお風呂の種類が2パターンと少ないのですがサウナは豊富なので、サウナに入って汗をかいては中央の冷たいプールで冷まし、また温度の違うサウナに入り疲れたら横になれるところで本を読み快眠・・・という感じで3時間くらい過ごしましたが、それでタオルレンタル込みで20ユーロ前後の値段はお得な感じでした。

次は温泉療養地として名高いバーデン・バーデンに行きたいものです。

3 Oct 2007

「私の言葉の境界が、私の世界の境界を意味する」

日経ビジネスオンラインを眺めていたら遭遇しました。

ヴィトゲンシュタインの、おそらく論理哲学論考の後半の一節だと思います。
久しぶりに読みたくなりました。

何はともあれ「私の世界」の外に存在する、神秘としての世界を楽しんでいます。
たとえ言語化することはできなくても、身体性を持った「私の世界」を。

27 Sept 2007

As Marvin said...

As Marvin Bower said:

"We are what we speak--it defines us--it is our image.We don't have customers, we have clients.We don't serve within an industry, we are a profession.We are not a company, we are not a business. We are a firm.We don't have employes, we have firm members and colleagueswho have individual dignity.We don't have business plans, we have aspirations.We don't have rules, we have values.We are management consultants only. We are not managers,promoters, or constructors."

A value-based organization should select, by nature, people to join or not by their personalities, i.e. values. It might sound severe, however this is the right way to be a "great" organization, according to the
book "Good to Great" by James C. Collins.

But, when it forgets or ignore its values, I think, is the beginning point to collapse. To build an enduring organization, the key for top managements therefore should be live its values. It's really what is
easy to say but hard to do.

Then, what do I believe in?
That is the question I need to find my own answer.

11 Sept 2007

男子の本懐(著:城山三郎)

男子の本懐 (新潮文庫)

日本の行く末を憂え、理想のための覚悟を伴った二人の国士の物語です。書名は打たれた直後に浜口御幸がこぼしたとされる言葉(史実かどうかは不明)ですが、この時代、今の時代から想定できないほどテロによる政治家の死亡が多かったとはいえ、殺されることを覚悟してでも成し遂げたい政策を持ち、死の瞬間までそれを追求できたことがある種の「本懐」といえるのではないでしょうか。

凶弾に倒れた浜口が回復まで至らず亡くなった際に盟友であった井上準之助が駆けつけ、それまで強面の切れ者として描かれていた井上が泣き出すシーンは、淡々と書かれているが故にもの哀しいものがあります。

政治は現実の国民を相手にする以上、どうしてもその時代の趨勢と世界・国内情勢に大きく翻弄され、志があっても全く果たせなかったり、あるいは手段自体が後世からみると全くの誤りであったり、あるいは志と全く逆のことでもそれをその時の国政に携わる者として呑み込まないといけなかったりと、政治家の人生はとかく理不尽なことばかりなのだと想像できます。前首相のように、何はともあれ一念を通しきることができた政治家は、極めて希でしょう。能力と幸運、どちらが欠けても優れた政治家-物事を実現するという意味での-とはなり得ないのでしょう。