7 May 2012

NHKスペシャル 生活保護3兆円の衝撃(著:NHK取材班)

「派遣切り」で散々騒いだ結果、勤労可能年代までが生活保護を簡単に受けられるようになりましたが、お金を何をしなくてももらい続けられるというのがいかに労働意欲を削ぐかがよく分かります。やはりベーシックインカムは絵に描いた餅、ないし国家への隷属の道を生むようにしか思えない。

また、3兆円も分配する制度(半額近くは医療扶助ですが)を作ると、絶対にそれを悪用ないし有効活用しようとする組織はいっぱい群がるわけで、誰のために配分しているのかという話になりやすいのもよく分かります。

この本の弱点は、上記のような問題に焦点を当てすぎるために個別事例に囚われすぎて(NHK取材ベースだから仕方ないかもしれませんが)、全体としては救われている人たちが多数である、といった既存制度が活きているところが伝わってこないところでしょうか。

しかし、底が抜けた中間層をどうするのか、という問題は考えれば考えるほど解が遠のいていくように思えます。


やっぱり最後は人力発電しかないかと思いつつ、自転車で発電して1人当たり100W(0.1kW)で、500万人が同時にこげれば50万kWと原発0.5基分くらいカバーできます(ピーク時のみ)が、100%稼働でかつ15円/kWhで売れたとしても年間売上は657億円、一人頭ではたった1.3万円、だめだこりゃ。