31 Mar 2013

欧州MBA留学準備計画

MBA留学に向けた年間計画を考えました。

欧州中心になっている理由は、率直に言って、ヨーロッパの方がアメリカより国と街の雰囲気が好きなことと、後は年齢も考えてコースが概ね1年-1.5年と短いことが主な理由です。

【計画修正メモ】
2012年3月末にTOEFLについて長期化を想定して、計画修正しました。
2012年8月末に応募スケジュールを詳細化し、IELTSに転換しました。
年末に2013年3月までのスケジュールも詳細化しました。

2012年1月
GMATを初受験してレベル感を把握(目標:650)→達成!(660点、AWAは3.5)

2月
TOEFL/GMAT勉強

3月
TOEFL iBT受験(目標111点*1)→未達成(100点、5月に再受験)

4月
GMATを再受験(目標:730*2)→概ね達成、GMAT終了!(710点、AWAは5.0)

5/6月
志望校Alumniからの情報収集→Cambridge/Oxfordは実施(LBSのみ未了)

7月
TOEFL iBT受験(目標111点*1)→未達成(103点、8月に再受験)

8月
リファレンス、推薦レターの依頼開始→Cambridge/LBSにつき確保
カウンセラー確保→CJBS/LBS合格実績あり、かつ担当者とフィット感が高いFECを利用
エッセイカウセンリング#1→LBS草案を議論
TOEFL iBT受験(目標110点*1)→未達成(101点、9月に再受験)

9月
エッセイカウセンリング#2→LBS第二稿と、CJBSの第一稿を議論
エッセイカウセンリング#3→LBSネイティブチェック・構成の議論
TOEFL iBT受験(目標110点*1)→未達成だがOK(106点;TOEFL終了)
IELTS受験(目標OA7.5点*3)→達成!(OA8.0;しかも全項目8.0、IELTS終了)
IELTS受験(目標OA7.5点*3)→達成!(OA7.5;但しWritingは6.5で全項目最低7.0というCambridge/Oxford基準は満たさず

10月
IELTS受験(目標OA7.5点*4)→達成したので受験なし!
IELTS受験(目標OA7.5点*4)→達成したので受験なし!
キャンパスビジット→ヨーロッパに行く機会があれば(Cambridgeで呼ばれる前提)
エッセイカウセンリング#4: CJBS/OSBS向け→CJBSは概ね仕上がる、OSBSはブレインストーミングのみ実施

Submission of LBS application to apply its first round(4日)→Submitted
MBA at London Business School (LBS)
1st 10/4, 2nd 1/3, 3rd 2/28, 4th 4/17

11月
エッセイカウセンリング#5→不要
Submission of CJBS application to apply its second round(16日)→Submitted
Cambridge MBA Judge Business School
1st 9/21, 2nd 11/16, 3rd 1/11, 4th 3/8,  5th 4/26
Interview of LBS(後半)→Done

12月
CJBS Interview decision (21日前後→上旬に連絡)→Invited!!

2013年1月
Submission of OSBS application to apply its 2nd round(11日)→3rd roundに延期
Oxford Said Business School
1st 10/12, 2nd 1/11, 3rd 3/8
Interview Day of CJBS (21日)→Done

2月

3月
Interview Day of OSIB (後半or4月前半の予定)→decided not to apply


For my reference of other schools
IMD
For 2013 intake, 1st 2/1, 2nd 4/1, 3rd 6/1, 4th 8/1, 5th 9/1

IE Business School International MBA
no clear deadline

INSEAD MBA
For September 2013 intake, 1st 10/3, 2nd 12/5, 3rd 3/13
For January 2014 intake, 1st 4/3 2013, 2nd 6/12, 3rd 8/7

*1TOEFL目標/スコア実績
YYYY/MMTotalReadingListeningSpeakingWriting
2011/069930261924
2012/0310029272024
2012/0710330262027
2012/0810130262025
2012/0910628302325
 




Target11030292328

*2 GMAT目標


*3 IELTS目標
DateTotalReadingListeningSpeakingWriting
2012/09 #18.08.08.08.08.0
2012/09 #27.58.58.07.06.5
      
Target7.58.08.07.07.5

23 Feb 2013

デフレーション―“日本の慢性病"の全貌を解明する(著:吉川洋)から展開し得る仮説

本書で展開されているデフレの原因は、ゼロ金利下で緩和が不十分とされる日銀の金融政策(いわゆるリフレ派)でも生産年齢人口減少(いわゆる「デフレの正体」)でもなく、雇用を維持して賃金を抑制する世界的には特殊な雇用形態を生み出した労働市場の失敗と、企業に対するデフレ・バイアスすなわちプロセスイノベーションにのみ特化しプロダクトイノベーションを怠った、というのは各種要素の影響経路を考えた時には合理的な説明であると考えます。

惜しむらくは、賃金抑制メカニズムのところで援用しているリプシーとトービンのモデルで、なぜ日本でのみアップサイドでの賃金の伸びが控えめで、ダウンサイドでの賃金の落ち込みが大きいのか、というところまで論を展開していただけるとよかったです。さらに、企業が陥ったデフレ・バイアスに対してガバナンスを働かせるにも、よちよち歩きの資本市場は間に合わず、金融緩和でじゃぶじゃぶの銀行ではもはやいうことを効かせられず、という私が仕事をしている上で感じている直感を、実証するところまで分析を踏み込んx`でいただければより我が意を得たりというところまで納得できたかと思います。

いずれにせよ、ソフトカバーでしたが、極めてまともな経済学の本でした。他の議論を訴える方々の回答を期待したいところです。




以下は個人的見解ですが、この本の結論をさらに展開させると、未検証ですが以下のような仮説が考えられると思います。

  • 賃金の上昇下落の非対称性は、皆で痛みを分かち合う方が人員削減よりよい、という社会通念によるものである。(雇用に対する社会通念)

  • そのような状況下でも大多数の従業員が退出オプションを事実上行使できないため賃金の下方硬直性が働かない。(労働市場の非効率)

  • だがそのような一律な人件費抑制を続ける企業は、ハイパフォーマーも等しく罰せられるから人材モラール低下につながり、大組織であることと相まってプロダクト・イノベーションが起きなくなり、結果、単価下落(プロセス・イノベーション)による競争に走る。(供給増<需要増となるようなプロダクト・イノベーションの減少)

  • そのような経営をおこなっている経営陣を監視すべき資本市場の反応としては、経営陣の交代を明確に訴えることは、普通株が幅広い株主に分散している中でマネジメント対案を提示することはコストメリットが合わず、株式売却による退出という形で緩やかな株価低下にはつながる。(意見を言わないエクイティガバナンス)

  • しかしながら、預貸ギャップを抱える銀行にとっては、人件費削減により安定キャッシュフローは見えているためファイナンスすることは可能であり、資金がつながる以上そのため当該企業の市場からの退出は進まず、価格低減による過当競争の構造が維持されてしまう。(デット・ガバナンスの不全)

  • 銀行間の貸し出し競争(オーバーバンキング)とゼロ金利政策の維持により、企業の金利負担は低いまま維持され、市場退出のプレッシャーは弱いまま残存する。(ゼロ金利政策の裏側)

  • そのような供給超過構造が10年以上維持され、民間需要減≒企業収益悪化による投資減+雇用報酬減による消費減+少子高齢化に伴う消費減、の中でGDP規模を維持するために政府支出が拡張され、結果として積み上がった債務が、長期金利を低く維持する政策へのインセンティブとなってしまう。(政府インセンティブの変化)

というようなデッドロック状態において、どこから変えるべき/変えられるのか。
・金融政策?
・財政政策?
・経済(ターゲット)政策?
・会社法制(含む倒産法制)?
・金融(資本/融資)市場?
・労働市場?

あと、上では十分に触れられなかったですが、少子高齢化、人口減少、女性活用、移民活用、あたりの人口問題も別途組み込んで考えてみたいですね。

3 Feb 2013

Financial Times MBA ranking 2013

FTのMBAランキング最新版が公表されていました。個人的には、FTのランキングが一番バランスが取れているような気がしております。概ね知っている(≒知り合いが行っている)ところは25位あたりまでですが、逆に言うとその辺りの友人知人の選択とランキングの齟齬が少ないです。

このブログで取り上げた記憶のある単年MBAを中心とした欧州系6校(LBS, Cambridge, Oxford, IMD, INSEAD, IE)だけをピックアップすると、
4位:London Business School(3年平均だと3位)
6位:INSEAD(同5位)
11位:IE Business School(同9位)
16位:Cambridge(同23位)
19位:IMD(同15位)
24位:Oxford(同24位)
となっており、上記のヨーロッパトップ校の中では唯一Cambridgeが順位を伸ばしています♪

全くの余談ですが、The Economistの直近のランキングは、私が世界ビジネススクール情勢を知らない可能性も高いですが、こんなに違うか?と評価方法を疑問に思うくらい違います。まあ、ランキングなんてrating agencyのようなもので、それを信じて高い買い物をするとエラい目にあったりするわけで、マスの傾向値として参考程度に眺めておいて、あくまで最後はファカルティやクラスメイトとの相性も含めた自分のガッツフィーリングに頼るのが正道だと思っています。

16 Jan 2013

IGPI流二冊:経営分析/セルフマネジメントのリアル・ノウハウ

どちらもさらっと読めますが、書いてあることを実際に実践して実とするには最低数年以上の試行錯誤が必要かと思います。先に試行錯誤をしてきた身としては、いわゆる「戦略」や「キャリア」とかについての自分の問題意識が整理されて役に立ちました。惜しむらくは、学生のときに読んでいたら星五つだったかなと思います。



IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ
基本的なヒアリング等から仮説的ななPL、BS、CSを連動する形で作り検証するとともに構造的な無駄を洗い出すというアプローチは当たり前に聞こえますが、実務的に事業の全体を見る立場からだとそのダイナミックなお金の流れを把握しないといけないということは、若手ビジネスマンや投資家にとっては参考になります。

ただし、いわゆる経営分析フレームワークは古典的な、歴史の検証を経たもの(3C,SWAT,PEST,5 Forces)に留めており説明やサブ概念の定義も他ビジネス書籍よりもさらっとした扱いになっているので、その点は別書籍を参照した方がよさそうです。

また、全体的な構成として、定義がはっきりしている規模・範囲・密度・ユーザなどの各種経済性と定義が曖昧な○○ビジネス/事業という言葉が代わる代わる出てくるため、分かる人には分かるだろうけどそうでない方には議論のストラクチャーが見えないかと思いますので、その点では不親切かと感じました。実際に手を動かしてやってみたことがある人でないとリアリティを持って読めないかと思います。


IGPI流セルフマネジメントのリアル・ノウハウ
タイトルだけを見たら巷にあふれる自己啓発本かと見間違いましたが、中身を読んだところ、最初の二章はM&Aに関する基本的な話のいわば前段であり、三章・四章が国内×海外企業のハイブリッド状態においてパフォーマンスを出せる人材要件と、そうなるためのアクションについてまとめられています。

三章に書かれている、どんなに会社と運命を同一化しようと片想いしても、「会社というのは、最後の最後で裏切る」というマインドセットはこれから不確実な世界を生きると人たちしては基本だと、筆者と同様にレビュワーも思いますが、世の中やマスメディアではあえて明示的に語られていないことではないかと思います。

四章では、それ故どんな状況になっても食っていけるだけのビジネスパースンになるために「セルフマネジメント」すなわち自分のリソースをマネージして成果を出すことが必須であり、具体的には、自らのビジネスを数字で把握し議論できるようになる、使う可能性の高い業務上の英語から学ぶ、他組織への出向や他部門へのローテーションで二本(以上)の軸を持つ、小さくても構わないのでバイサイドでM&Aや親会社と子会社のはざまで清濁併せのむ経験をするチャンスを探す、といった具体的・現実的なノウハウが書かれています。

なお、上では前段と書きましたが当初の二章も実は面白い内容が含まれており、「イノベーションに依存しなければいけない分野を捨て」た海外企業の事例や、M&Aによる「ムラごと売買」「経営陣を入れ替える」効果などは現実的な経営戦略論として色々なヒントになりました。

まとめると、ただ必要なスキルを羅列するだけでなく、なぜそのようなスキルがどのような環境で求められるか、といったコンテクストまで整理された良書でした。35歳くらいまでに前述のような具体的スキルは学んでおきたいと改めて思いました。


Oxford応募延期(2nd: 1月⇒3rd: 3月)

Oxfordの応募を延期しました。

一つは、Cambridgeが今月末にはオファーが出そうな気配があるので、そちらを待ってからじっくり考える方がいいだろうということ(それ故やる気が出ないという問題もありますが、苦笑)。

もう一つには、最近行っている仕事の関係でEconomics/financeの分野における学問的な学びが多く、そちらを深めるような方向性で(すなわちこれまでのエッセイの応募動機とは変えて)応募してみた方が面白いかもしれない、という点からそれを練り直すための時間が欲しいということです。

そもそも、年末年始に遊び倒し、寝倒したのもいけないのですが。やる気になれない時に無理にエッセイ書いてもいい結果になる気がしないので。言い訳の言い訳。

1 Jan 2013

2012年の振り返り、2013年の目標

新年あけましておめでとうございます。2012年はとても充実した年でした。
2012年の目標
Work: to deepen leaning on finance and turnaround so that I can manage to handle those issues
→業務上で再生案件および投資案件それぞれに携わることで、一つまた理解が深まり自分なりのマネージのポイントがわかりました◎

Private: to pass MBA admissions (hopefully top-tier schools in Europe)
→とりあえず1st roundで出した英国の某ビジネススクールからはオファーがもらえたのでgood、あと数校の結果を待ってどこに行くか最終決定する予定です◎

2013年の目標も極力シンプルに、公私併せて二つだけにしておきます。

Work: to deepen learning on economics, especially political economics, so that I can discuss with the specialists

Private: to determine which way I will pursue after my graduation of an MBA course

シンクタンクの仕事で一気に理解を引き上げないといけない経済・政治経済・財政・金融の理解を深めるのと、1年MBAコースの「後」の選択について遅くとも年内には決定しておきたいと思っています。

さて、人生の岐路に立ってゆっくりと悩む貴重な時間を、今年は満喫しようと思います。

13 Dec 2012

Place on London Business School's MBA Programme

日本時間の午前1時前(締切日の現地16時)に、London Business SchoolよりMBAの合格通知(もちろん、追加の英語研修の条件付き)の連絡が来ました。なんにせよこれで一安心です。^^

火曜日の夜にいきなり電話かかってきて、英語レベルをチェックしたい(週末何しているか、Londonには来たことがあるかなどの雑談5分程度)、Pre-schoolで英語研修を受けるか、とか聞かれた時点で、たぶん受かるんだろうなとは思っていましたが、正式な連絡が来て一安心です。

勿論、これで気を抜くことなく、あともう少し頑張ろうと思います。

3 Dec 2012

CJBS 2nd round interview invited!!

London Business Schoolに引き続き、Cambridge Judge Business Schoolからも無事にInterview Invitationが来てほっとしました。Webでは5週間ほど時間が掛かるように書かれていましたが、(2nd round提出が11/16だったので)2週間と半分で連絡がくるスピード感が嬉しいです(LBSは1ヶ月待ちました)。

ひょっとしたら、LBSも受けていると正直に書いたので、LBSのdecisionが来る(来週木曜日あたり)前に逃さないために先行しているのかもしれませんね。あくまで推測ですが。

せっかくなので、現地でのinterview(1月中旬)に参加して、実際の雰囲気を満喫して来ようと思いますので、会社でうまく有給が使えるように画策しなくては。

2 Dec 2012

MBA place offerを維持するためのinitial commitment fee

もし来週にLBSから正式オファーが来たとして、その席を維持するために早期に支払う「コミットメントフィー」なるものががあるようです。が、残念ながら公式Webでは"If you are made an offer of a place on the programme, you pay an initial commitment fee to reserve your place in the class. This is normally due 3-4 weeks after you receive your offer letter, and is deducted from your total fees."とあるだけで実額が書いておりません。

仮にCambridgeの結果まで待つとすると、来年2月まで待たないといけないのでLBSのplaceはオプションを保持しておきたいところですので、実額を検索したところ(以下のサイトのコメントより)GBP1,500(約20万円弱)と比較的良心的なようです。これなら払っても納得できる(120円前半で買っておいたポンドの円安分と相殺してもお釣りが来る、笑)。

http://www.businessbecause.com/news/mba-application/1428/my-mba-application-journey-part-four
http://forums.businessweek.com/discussions/BW_Business_Schools/Getting_into_Business_Schools/LBS_waitlist_for_2011_intake/bw-bschools/78560.189?redirCnt=1&nav=messages

一方で、Cambrige MBAについては公式Webに明記があり、"a commitment fee of 10% of the course fee"でthe course feeがGBP38,000なので、GBP3,800(約50万円弱)と比べると割高ですね。さらに、Oxfordも当然に気になったので調べると、なんとこちらはGBP6,150(約80万円)ともっと高いことが公式Webで判明しました、さすが?Oxfordは強気ですね。Stage 1で先行して受けなくてよかったと、IELTSの結果がギリギリになったことに感謝です。笑

コミットメントフィーのことを全く考えずに、英語試験スコアと準備の立ち上がりを考慮して受ける順番を決めてここまで来てしまいましたが、結果的には比較的順当な順番だったようです。まあ、これでLBS落ちていたらまさに取らぬ狸の皮算用ですが。。。来週木曜日が待ち遠しいです。

27 Nov 2012

採用基準(著:伊賀 泰代)

外資コンサルの陳腐化のはじまりとして、ついに採用基準にまで踏み込んだ本が出ましたね。

マッキンゼーの名前は使っていますが、現役の方ではないということに留意しつつ、書いてある資質(リーダーシップ、思考力(スキル・意欲・体力)、英語力)がある意味当たり前の能力であり、The War for Talent
The War for Talent
(これまたマッキンゼーですが)で10年以上前に書かれていたような話がようやく日本でも当たり前になったというところでしょうか。

資質については、実は順番が大事で1.リーダーシップ、2.思考力、3.英語力であり、最初に行くほど実践が何よりものを言う、さらに言えば実践の場を奪い合っていることを認識すべきである、ということでしょうか。



ダイヤモンド社
発売日:2012-11-09

採用基準関連のところで面白かったのは後述する思考力の分解と、採用基準とスクリーニング基準の違いくらいでした。筆者は思考力を思考スキル、思考意欲、思考体力の三つに分けていることはとても納得がいけるもので、特に思考意欲というものが一番原点にあって、意欲があって日々考えることで思考体力がどんどん着いてくるので最終的な思考力に差がついていくというような構造を捉えることができました。

リーダーシップの定義(成果を出すこと!)、ポジションとリーダーシップの順番、マネジャーとコーディネーターとリーダーの差異、リーダーの四つのタスク(目標を掲げる、先頭を走る、決める、伝える)、グローバルに求められる人材の要件(リーダーシップ、地頭の良さor個別分野における知識・経験、英語力)、などなど分かりやすい言葉でリーダーシップ論の論点が抑えられています。究極のところ、リーダーとは現実の課題に対し現実の解決策を実現して成果を出す人なのだ、とまとめたらあまりにも陳腐で筆者には怒られるかもしれませんがいかがでしょう。

また、日本におけるカリスマリーダー待望論と総量としてのリーダーシップ・キャパシティの不足の峻別は、正鵠を得ていると思います。だからこそ、リーダーシップ・キャパシティが総量として増えたとしても、リーダーシップを発揮できる単位がもっと増えていたら意味をなさないので、優秀なリーダーに寄せていく仕組みについても筆者の見解をお聞きしたいところです。

最終章の「リーダーシップで人生のコントロールを握る」はややマッキンゼー礼賛過ぎるかな、と感じました。要は、リーダーシップとかいう前にまずはHow do you lead your life?という問いが先に来る、ということでしょうし、それに気づかせてくれるような機関や機会は、マッキンゼー以外にもいろいろなところに存在していると思います。