31 May 2011

プロフェッショナルコンサルティング(著:波頭亮×冨山和彦)

波頭 亮,冨山 和彦
東洋経済新報社
発売日:2011-05-27

マッキンゼーを卒業後もXEEDを設立して戦略コンサルティングというプロフェッションを続けている波頭さんと、BCG、コーポレイトディレクション、産業再生機構、経営共創基盤と多様な立場からコンサルティングを行ってきた二人による、主には若手コンサルタントと戦略コンサルティングを志向する方々向けに読まれるべき対談集です。

普通のセミナーでは聞けないような、リアリティのある経営者の視点からの戦略コンサルティング業界のリアリティが語られるとともに、この業界でキャリアを積もうとしている人間への様々な示唆があり、ある程度経験を積んだところで一歩立ち止まって考えるのには良い本です。ただもちろん、お二人それぞれの考えを理解するには、波頭さんの言う論理的思考の勘所(独立と相関の区別、次元の統一、因果の強さ)や冨山さんのゲゼルシャフトとゲマインシャフト、合理と情理などの相克とアウフヘーベンについての説明は軽く、個別の著書を読む必要があります。

瑣末ですが、直観で動く経営者も因果律の把握は必要、歴史の正史の矛盾を埋める鬼(裏史)による立体的な理解、情理にぶつかった時こそ論理的思考と想像を諦めてはいけない、年功序列を廃止することで終身雇用が守れる、といった議論のくだりが特に面白かったです。

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